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猫が星見たー歴史旅行

 だれでも、過去の上に築かれた現在を生きています。歴史を見る目をもつことは、過去を知るだけでなく、いまを見つめ、未来をみすえることにつながるのではないでしょうか。

 

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この冊子を発行するにあたって、これがどのような目的であるいはどのようなものを目指している冊子なのかということを示しておきたいと思います。

お気づきの方も多いと思いますが、このタイトルは、武田百合子の『犬が星見た―ロシア旅行』を模したものです。わたしが武田百合子の文章とこのタイトルが好きだから、という理由もあるのですが、ほかにも思いがあります。

猫が空の星を見上げる、そのさまには、とてつもなく遠く空間と時間を隔てたものをみている小さな存在を感じます。今の自分は今晩の寝床探しに熱心で、ちょっと見上げただけの星。でもなんだかきれいだな。そんな感想を猫はもつのかもしません。

 わたしたちは、今の生活に熱心で、それほど過去のことなど振り返らないでしょう。でもふとしたときに、過去、歴史を示唆する何かに触れて今にいたる過程に思いをはせることがありませんか?そうすると現在の出来事がまた違ったふうに見えてきたりする。きっとそんな経験が皆さんにもあるのではないでしょうか。わたしの場合は、今現在に起きている出来事―それは社会問題だったり、外交問題だったり、もっと個人的なことだったりします―について考えるとき、過去を振り返って「なぜ、今のようになったのだろうか?」と考えるのが習い性となっています。特に、大きな問題に直面したときには。 

 

 この冊子で読者の方々へ伝えたいのは、まさに、何か問題に直面したときの歴史的アプローチのすすめです。

 

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